「送り狼と迎え狼」

 

およそ100年前、日本の山にはオオカミがいました。

 

奥多摩や秩父の山はオオカミが棲みやすかったのか、今でもこの地域にはオオカミを祀る神社があり、オオカミにまつわる民話や伝承が残されています。

時には人を襲うこともあったのにも関わらず、「おいぬさま」と呼ばれ、敬い慕われていました。

江戸時代から近代へ向かう過程でニホンオオカミは姿を消しました。

日本人は急いで現代に向かったがためにオオカミと生きるすべを忘れ、オオカミとの共生ができなくなったのかもしれません。

それでも忘れてしまっているだけで、わたしたちの潜在的な記憶として携えていると思うのです。