狼信仰とは

奥多摩や秩父を中心に狼信仰の神社が全国的に存在します。

御利益としては、火難・盗難除け、安産など。狼が火を嫌うことから火難、子どもを沢山産むことから安産などの御利益があるとも言われています。

 

また、今からおよそ百年前、狼が山に生息していた時代は、田畑を荒らす鹿や猪を狼が食べてくれていたことから豊穣の神様として敬い、身近な存在であったことから「お犬さま」と呼んで慕っていました。その反面、子どもや女性が食べられてしまうなど、恐ろしさも抱きながら、当時の人々は共存していたようです。

それは、地域の民話や伝承、狼が絶滅してしまった今も伝わる農村部の人々の暮らしに根付く信仰心、現在にも細々と存在し続ける狼信仰の存在から知ることが出来ます。

 

日本には山岳信仰があり、自然を崇拝することで自然の恐怖を克服し、自然と

共存していくという姿勢は欧米には恐らくなく、それは狼と日本人の間にも通ずることで、他国とは全く違った付き合い方を太古からしてきたように感じられます。

しかし、日本人は明治維新からグローバリズムを意識し出し、外の価値観を尊重し始めたことで色々なことが狂い始めっていったのでしょう。狂犬病という、こんな小さな島国には入ってきてはいけないものが入ってきてしまったり、(それが原因で狼が絶滅したという説が有力)なにも考えずに乱獲して絶滅した種は多岐にわたるし、戦後は国土や人間の素質に関係なく米思想が輸入され、狂ったように高度経済成長が始まり、みんな錯覚してちっちゃい島国は破壊されていく。

 

たった数十年の出来ごとだから現在にも反映し続けているのだけど、その反面、そういった昔の日本人の生き方や価値観も、現在に生きるわたしたちのDNAに存在し、継続され続けているものと思っています。だからそれについて真面目に考えている人が存在するし、地域を、環境を、国を、地球を良くしようと動いている人がいるのだと思います。

 

狼信仰はわたしたちの本来の精神を思い出させ、こんなに好き勝手にやってきてしまった人間は地球上の生物のうちの一種にすぎないということを改めて戒めるきっかけとなるはず。。